病院で処方される「メイラックス(ロフラゼプ酸エチル)」と「ワイパックス(ロラゼパム)」は、どちらも不安を和らげるお薬で名前がよく似ています。
でも、この2つは少しずつ違う特徴を持っています。
ロフラゼプ酸エチルの構造式

今日は メイラックスがどうしてよく効くのか? を詳しく解説し、2つの取り違いを減らすための理解をしていきます!
メイラックスはメンドンを進化させた薬!
メンドン(クロラゼプ酸二カリウム )の構造式

実は、メイラックスは「メンドン(クロラゼプ)」という薬を改良して作られました。
この2つを比べると、大きく 2つの違い があります。
1️⃣ フッ素(F)が追加されている
2️⃣ 湿気に強くなっている
このうち 「フッ素」 が入っていることで、メイラックスは より強く働く ようになっています!
なぜフッ素が入ると薬の効き目が強くなるの?(超専門的解説)
メイラックスは、ベンゾジアゼピン系薬剤の一種であり、GABA_A受容体のベンゾジアゼピン結合部位に作用することで抗不安作用を示します。
この時、フッ素(F) を導入することで、電子吸引効果(-I効果)が働き、以下のような影響が生じます。
1. 電子吸引効果によるπ電子密度の低下
• フッ素は高い電気陰性度を持つため、分子全体のπ電子密度を低下させる。
• これにより、ベンゾジアゼピン骨格の電子供与性が減少し、受容体との親和性が増加する。
2. 受容体親和性の向上
• GABA_A受容体のベンゾジアゼピン結合部位は、特定の電子環境を持つ分子と強く結合する傾向がある。
• フッ素が導入されたことで、受容体との相互作用が増強され、メイラックスの抗不安作用が向上 している。
3. 代謝安定性の向上
• フッ素原子はC-F結合が非常に強く、加水分解を受けにくい。
• これにより、メイラックスは体内で長時間作用する ことが可能になる。(半減期122時間)
要するに、フッ素が入ることで、受容体との結びつきが強くなり、薬の効果がより安定して発揮される のです!
メイラックスは長く効くお薬!
メイラックスは、体の中で「デスアルキルフルラゼパム」に変化しながら働きます。
この薬は 122時間(約5日間)も効き続ける ので、長時間安定した効果を発揮します。
一方、短時間型のベンゾジアゼピン(例:エチゾラム/デパス)は、効き目がはっきりしているが、依存しやすい という特徴があります。
それに比べると、メイラックスは依存しにくく、長く使うのに適した薬 だと言えます。
まとめ
✅ メイラックスはメンドンを改良して作られた!
✅ フッ素が入っていることで受容体への結合が強まり、抗不安作用がアップ!
✅ 湿気に強く、122時間という長時間作用が特徴!
✅ 依存しにくく、長期使用に向いている!
お薬を正しく理解することで、より安全に使うことができますね!